チタンの待性と人体への影響

はじめに
 今、多方面に渡って使用されている、チタン。食べるわけでもなく、肌につけたりするわけでもなく、身に付けたり、触れたりするだけで効力を発揮すると言われている。それは事実なのか、はたまた憶測なのか、その真意を知りたいという思い、このことについて調べてみた。
(1)チタンの歴史
 チタンという金属の存在を初めて発見したのは1791 年、イギリス人のクレーガーによってである。しかしこの時は「メナカメイト」と呼ばれていた(現在の呼び名はイルメナイト)。4 年後の1795 年、ドイツの化学者クロプロートがルチル鉱石の大部分がこれまでに知られていない全く新しいものであることを発見し、この金属をギリシャ神話のタイタンにちなんでチタンに(TITAN)と名付けた。
 しかし後にメナカナイトとチタンは物質であることがわかり、チタンという名前で呼ばれるようになった。チタンは、以前はルチル(TiO2)から精製されていたが、ルチルの産出量が減ってきたため現在ではイルメナイト(FeTiO3)から酸化鉄を取り除いて生産した二酸化チタンを原料としている。
 チタンと酸素はとても強く結びついており、分離する方法が見つかったのはチタン発見から100年以上たった1910 年である。工業用に大量生産が可能になったのは戦後(1948 年)である。
(2)チタンとは?
 チタンとはチタニウムとも言われる軽金属で、地殻中に多く存在し、土壌中には酸化チタンとして含まれている元素である。多くの金属と比べ、チタンは非常に軽く、強く錆びにくい性質を持っている。又、毒性がなく、生体適合性に優れ、金属アレルギーの心配もないので股関節など人体各部の骨の補修、矯正用具や義歯用金属床、心臓ペースメーカー、手術用具などに使用されている。また、チタンは金属アレルギーの心配がないという性質がある。
(3)チタンの性質:ガスとの反応
 チタンは、酸素、窒素、水素との親和性が大きいために、さまざまな環境下でこれらのガスと反応し、きわめて安定な酸化物、窒化物を作り、ときには水素ガスの内部吸収を起こす。
1.酸素
 空気中には酸素が20 %あり、この酸素と反応して酸化膜(虹色・光の干渉色)を形成する。この膜は非常に微密で強固であるため、不働態化皮膜と言われる。空気中でチタンを加熱すると、膜厚に応じて色相変化を示す。色相の変化は250 度から起こり、温度上昇と共に明色から暗色になる。

2.窒素
 窒素との反応による窒化被膜は、チタンの表面をいちじるしく硬化させるので、耐摩耗性向上のための表面処理法として活用されている。

3.水素  水素との反応は、酸素、窒素と異なり可逆的反応で、チタンの表面だけでなく、内部への拡散が非常に速いことも特色である。水素がチタン内に多量に侵入すると脆化現象を起こす。したがって、チタンの加熱は、できるだけ水分、水素の影響をさける配慮が必要である。
チタンの待性と人体への影響 その2